シャンソン歌手の渡辺歌子さんが出演、制作されたコンサート「静寂の中に」に出演した(11/27)。ソロではルイジ・テンコの”Vedrai,vedrai”ウェストサイド物語から”マリア”、同じく出演歌手の竹下ユキさん、三戸亜耶さん、松村大治さん、ピエールさんと”谷間に三つの鐘がなる” “You raise me up” “Con te partiró”と、歌子さんの”鶴”の後ろでコーラスを歌った。
歌子さんとの出会いは、僕が2012〜15年の間ひょんなことからお世話になっていたシャンソニエ蛙たちでお会いしてからで、お店を辞めてからもご連絡をくださり、歌う事やワークショップなどの機会をくださった。たくさんの歌手、お客様とのお付き合いがあったが、僕にお店という背景がなくなってからもこうしてお付き合いがあるのはとてもうれしい。そして4人の仲間とまた歌う機会を与えてくださり大変な感謝である。
武満徹が戦争中に上官の目(耳か?)を盗んで聴いていたのはLucienne Boyerリュシエンヌ・ボワイエのParlez-moi d’amour(邦題:聴かせてよ愛の言葉を)だったというが、苦しい時代においても人々の耳の奥にあったフランスの歌の数々は、翻訳や訳詞の文化と結びつき日本の軽音楽を刺激しながら独自の”シャンソン”というジャンルを作っていった。
僕がその世界の薫りを記憶の隅に留めながら、今また新しいシャンソンを歌ったらする事があるだろうか(今回歌ったのは歌子さんからのリクエストと僕の歌える曲だったから出演できたのだけど。。。)クラシックでは滅多に味わえない、ステージの煙に光が屈折する様は自分が鏡の向こう側の違う世界へ向かう感じがした。
さぁ、12月。
新しい月の始まりは良い年を迎える準備をしたい。