Carmina Burana終演

NHK交響楽団とのカルミナ・ブラーナを終えました。

9/17の東京都交響楽団に続いての同演目ではありますが、オーケストラも違うし、もちろん指揮者もソリストも、合唱団のメンバーも違い、全く新しく演奏を作り上げるのがとても興味深く、何よりも楽しい時間でした。

NHK音楽祭のプログラムの1つでもあり、ラジオでの中継は多くの方にお楽しみいただいたかと思います。いつかTVでも放送があるかもしれませんので分かりましたらブログにも書きたいと思います。続きを読む →

カルミナ・ブラーナ×2

9,10月に本番を迎える、2つの《カルミナ・ブラーナCarmina Burana》(カール・オルフCarl Orf作曲1937年初演)に合唱として参加している。1つは今年から始まった東京都のイベント、Salad音楽祭。オープニングのプレミエ・ガラとして演奏される。今年は一夜限りだが、今後数年をかけて展開していくという出来たてホヤホヤの音楽祭。もう1つはNHK音楽祭2018のプログラムとして。1年に同じ演目を演奏する、という事はあるにはあるけれど、1ヶ月もしないうちに、とても久しぶりに大好きな《カルミナ》を2回も演奏する機会が来るとは。(インディ・ジョーンズ魔宮の伝説で冒頭の音楽が使われていたので耳にしたことある人はきっと多いと思う。)《カルミナ・ブラーナ》という作品は、19世紀初頭ドイツ・ミュンヘンにあるボレイン修道院で見つかった11〜13世紀に作られたとされる写本がもとになっており、当時の修道僧、学生による中世ラテン語、古フランス語、中高ドイツ語といった様々な種類の詩が、「春」「酒場」「愛」について語られる。続きを読む →

Realismoについて1

千穐楽を迎えた二期会公演プッチーニ《三部作Il Trittico》では、演目ごとに息を飲む音や、涙を拭う音、また心からの楽しみが劇場に漏れ聴こえることが度々あった。舞台上に散りばめられた様々なモチーフを観衆が各々の身体に取り入れた事による現実的な反射だったのだと思う。

もう10年以上前に、某所で《三部作》の上演が企画され、それに伴い演出家アントネットロ・マダウ・ディアツAntonello Madau-Diaz氏によるワークショップがあった。
受講生に対して、「麻袋に入った重い荷物はどうやって運びますか?この椅子がその荷物だと思って持ってください。」との問いに、それぞれが思いつくままに椅子を持った。抱える様に持つ人、肩に抱える人、演出家から「10キロくらいまでならこれで持てますね。」「明日この荷物を持たなくていいのならこれでもいいね。」と不正解とは言わないけれど、僕達に”重い荷物”について考えさせた。伝統的な、重労働を課せられる労働者が持つ”重い荷物”の運び方は、、、続きを読む →

二期会公演:プッチーニ三部作観劇

東京二期会公演、プッチーニ作曲《三部作Il Tritticoを観劇した(9/6公演日)幕開けから集中力の高い、オーケストラの影のある音色でこれは何かが起こるというのを予感させたのはプッチーニの手腕なのか、それとも指揮者ベルトラン・ド・ビリーの手腕なのか。
既に今回の演出をヨーロッパで成功させている演出家ダニエレ・ミキエレットが開幕前のプレトークで語っていた、プッチーニの映画音楽に通じる先駆的手法に大きく触発された感性は全編に渡って統一されていて、フェリーニやパゾリーニのモノクローム、フランスの伝統的なミュージカル映画のような鮮やかな色彩、ラース・フォン・トリアーの退廃を舞台から見受けられた。
素晴らしい演出だと思えるのは、それらがコラージュではなく、舞台に内在する大きなフィルムロールが回る中に僕たち観客が紛れ込むようでもあり、音楽が、声が、生きている音として体液に直接響く。プッチーニが作曲し、丁度100年前に初演された《外套Il Tabarro》《修道女アンジェリカSuor Angelica》《ジャンニ・スキッキGianni Schicchi》が新国立劇場の舞台で《三部作》として上演できたのは、何よりたくさんの素晴らしい歌手がそれぞれの物語の帰結に吸い込まれるように、大きくもなく小さくもなく、収まるべき所のプッチーニの音楽を歌ったからだ。続きを読む →

Donation Theater 西日本豪雨災害に対する支援金募集

先の災害において、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧、復興をせつに願っております。映画製作で知り合った方からお知らせを受け、下記のサイトを通して僕も募金に参加しました。
Dination Theater 平成30年西日本豪雨災害に対する支援金募集サイト内から視聴権を購入し、全額(決済手数料を除く)が被災支援団体に寄付されます。映像制作者は自身に著作権がある作品を無償で提供し、視聴者は視聴権の金額の大小関係なく、全ての作品を期限付きではありますが観ることが出来ます。(視聴権の購入についてはサイト内をよくお読みになってください)ブログでいつか紹介しようと思ってしばらく経ってしまい、視聴権の購入が8月いっぱいということで駆け込みではありますがここにお知らせいたします。