52ヘルツの鯨、公開

突然ですがっ!2年前に撮影に参加した阿部綾織監督作品《52ヘルツの鯨》が間も無く公開されます!

まずは28回映画祭TAMA CINEMA FORUMの中でTAMA NEW WAVEある視点vol.1において11/20(火)16:40〜より上映されます。

そして撮影を担当された斎藤文さんを取り上げた、《監督 内田伸輝×撮影斎藤 特集上映》が11/24(土)〜30(金)池袋のシネマ・ロサで連日上映される中に《52ヘルツの鯨》が11/26(月)に上演されます。

TAMA CINEMA FORUMには都合がつかず行けないのですが、池袋での上映には久しぶり会えるだろう仲間と映画完成の喜びを分かち合おうと思います。TAMAの映画祭も池袋も、お時間ご都合の合う方は是非お出かけいただけたら嬉しいです。

★TAMA NEW WAVEのリンクから予告もご覧いただけます(そこにもちょこっとだけ僕の姿が。。。)

上海散歩

帰国してから何日か、目を覚ます度に頭の中で上海で聞いた雑踏の音が頭に響いていました。
中国語らしき、日本では聞くことのない高い響きのよく通る人々の声、まるで会話しているかのようなホイッスルの音、音もせず通り過ぎる電動バイクの、僕の胸のあたりで風を切る感触。

それらが体から日に日に抜けていくような感じで、そんなにも体に音を浴びていたのかと改めて驚きました。

上海に行くことが決まってから行ってみたいと思っていた場所がありました。

Starbucks Reserve Roastery Shanghai

日本にいる時はスターバックスはほとんど利用しないのですが(理由は色々)、ここは本拠地シアトルに次いで昨年12月に出来た焙煎所併設の店舗ということで、そんな稀な機会はないと思い場所だけは調べておきました。

ローマのパンテオンのような円形の建物

来年には東京にも同様の店舗が出来ると聞いていますが、東京よりも早くに出来たことは街を歩いていると何となく理解できます。

外灘に抜ける大きな歩行者天国を持つ南京東路から人民広場を挟んだ、南京西路駅から歩いて数分、周りには大きなデパートや外資系服飾、飲食店の店舗などが連なります。新しさと歴史ある街を古い建物が繋ぎとめていて、行き交う人の多さ、多様さでとても華やかに感じた。

シアトルよりも2倍の広さだという店内はこちらhttp://miyamotoeiichiro.com/wp-content/uploads/2018/11/img_3783.mov

奥に大きな焙煎機が見えます。

そして二階

http://miyamotoeiichiro.com/wp-content/uploads/2018/11/img_3785.trim_.mov

各階にエスプレッソマシーン、コーヒーマシン、ハンドドリップ、サイフォンなど、抽出する手法がカウンターにずらりと並び、コーヒー豆も数種類から選ぶ事が出来ます。スタバといえば本国で焙煎された統一の深煎りの豆が良くも悪くも象徴的ですが(スタバを利用する人でブラックコーヒーを飲む人の割合がどれだけなのかわからないが)店内で焙煎されたブレンドから豆の種類によって最適に焙煎されたストレートが4〜5種類ほど準備されていた(あぁ、メニューも撮ってくればよかった。。。)

エスプレッソをお湯で割ったアメリカーノでなく、クローバーというコーヒーマシンで入れたストレートコーヒー(下写真のcolombia)は50元弱で、ハンドドリップで入れたお店のブレンドは60元(右端)ほど。たしかサイフォンが70元だったので、手間がかかるものは対価を払うといったところか。当時のレートが17元弱だったのでまぁそれなりの値段がする。

ケーキは左がキャロットケーキ、右がレモンのパウンドケーキ

味はというと、それぞれの豆の特徴がよく出た味わいで、香りも良く、量も結構あり(350mlほど?)圧倒的な店内の雰囲気からしてみればこの価格でも良いのかな、と思わせる品質です。

他にもコーヒーを使ったお酒やクラフトビールがあるカウンター、中国茶売り場も大きく、焙煎機を中心としてまるでアミューズメントパークといった面持ちでありました。

世界でまだ3つしかない、というとコーヒー店で何を大げさな表現をと思われるかもしれないですが、都市文化とコーヒーを結びつけて、それを世界に発信しているというのが何より圧倒的でした。日本の店舗も、コーヒーを通してどれだけ世界に日本らしさをアピールができるのか、スターバックスファンでない僕としても気になるところです。

上海国際芸術祭2

昨夜は上海音楽庁近くの広場で、地元の合唱団と一緒にステージでした。

東京オペラシンガーズは日本の歌、ロシアの歌(中国で親しまれているらしいです)、上海の方々とベートーヴェン《第九》から一部分、《草原情歌》という中国の歌、そして谷村新司の《昴》を一緒に歌いました。

野外ステージという特殊な環境ではありましたが、たくさんの方が集まり、国内ではネット配信?もあったようで、とても有意義な時間でした。続きを読む →

上海国際芸術祭

上海国際芸術祭へ参加するために、3日前から中国・上海に滞在しています。

東京オペラシンガーズの一員として、昨夜は上海交響楽団とベートーヴェンの交響曲第9番を演奏しました。

芸術祭は20回の記念でもあり、また日中友好条約締結40周年でもあるこの機会に上海を訪れることができ、とても光栄です。このコンサートの実現は民間交流の賜物であり、音楽を通して2つの国が繋がる事は、楽曲の主題がすでにそれを表している通り、素晴らしい事だと思います。続きを読む →

藤田嗣治展

藤田嗣治(1886〜1968)の久しぶりとなる大きな回顧展が東京都美術館で開催されていた。東京はすでに終了したが、作品は10月19日から12月16日まで京都国立近代美術館に移り、観ることができる。

今年は没後50年ということで、かなりまとまった数の作品が展示されていて、中には日本で初めて観られるものもあった。僕が見に行った日は夜間開館だったが、20時の閉館ギリギリまでたくさんの人が鑑賞していた。どこかのニュースで読んだが期間中30万人が美術館を訪れたという。”Foujita”の認知度、人気が共に高いことを改めて感じた。

2005年にあった東京国立近代美術館での展示もとても素晴らしかったが、あの時は美術館の持つ藤田が描いた”作戦記録画”と呼ばれる第二次世界対戦時の日本軍の様子を描いたものにまつわる物語と、解放された”君代コレクション”が主軸となっていたように覚えている。第一次大戦、第二次大戦を画家として生き抜き、時代に翻弄され孤独を抱えた、そして信念を持ち続けた芸術家を猛々しく魅せた。

今回は比較的穏やかでかなり客観的に、静かな語り口で藤田の作風の変化、時代性というか、彼の先進性を一枚一枚ゆっくりと、作品とともに歩くというふうに感じられた。続きを読む →