僕とRichard Wagner

今、参加している舞台作品は新国立劇場で10月1日に初日を迎えるヴァーグナー作曲『神々の黄昏』という作品で、開館20周年という記念すべきシーズンの開幕作品である。 そしてこの『神々の〜』は、4つの作品で構成される『ニーベル...

晩夏に寄せて

季節には香りがある。 めっぽう鼻が弱い僕がわかるのだからきっとあるのだ。 夏が残した太陽の残り香、たくさん降り注いだ陽の後に夕立を受けた土の香り、蝉の声の遮りがなくなった風が新しく生えた小さな野の草を揺らす匂い。 コンク...

夏をめぐる

去年の夏、母方の祖母が亡くなった。 離れた所に住んでいたという一応の理由をつけてみるが、亡くなる年の春に家族で会いに行ったのが最後だった。祖母は自分の子供以外、席を外した順にあの人は誰か?と聞く以外はゆっくりでも歩き、楽...

翼を持ちて

先週末の土曜日、Operaliaというコンクールの本選をインターネット中継で観た。 プラシド・ドミンゴ国際オペラコンクールという名前で25年前から行われていて、いつの間にやらOperaliaという洒落た名前がついている。...