セイジ・オザワ・松本フェスティバル

久しぶりのブログです。何から書いたいいのかわからないくらい久しぶりですが、直近の活動として8/25,27にセイジ・オザワ・松本フェスティバル(OMF)のオーケストラコンサートAプログラムに参加しました。

公演日まではまだ暑くて、もうどこでも暑さの影響は避けらないのでしょうか。最後の公演が終わった夜は、晩夏を思わせる風が街角を曲がっていったように見えました。

今回のプログラムは前半にはオーケストラのみでバーンスタインのウェストサイドストーリーよりシンフォニックダンス、杉山康人さんのソロでジョン・ウィリアムスのチューバ協奏曲。そして声が入るのは後半、イザベル・レナードさんのソプラノ・ソロを歌ったプーランクのスターバト・マーテルとラヴェルのダフニスとクロエ第二組曲でした。指揮は全てステファン・ドゥネーヴさん。

今回の合唱は、東京オペラシンガーズと、オーディションで選抜された地元OMF合唱団との合同でした。顔を合わせてから本番まではあっという間というのもあって、アンサンブルはどうだったでしょうか。こういう思いはやっぱりいつでも後に残るものだと思います。良い演奏として受け入れてくださったなら嬉しいです。

ダフニスとクロエはオーケストラのみでも演奏されるそうですが、総監督である小澤さんの強い希望で、元々の歌がある形での演奏になったのはとても良かった。僕は歌の入った形でしかもちろん演奏したことはないけれど、そうでないのは同じ曲とは思えないですものね。

OMF facebookより

オーケストラはフェスティバルの名前がOMFに変わっても、もちろんサイトウキネンオーケストラ(SKO)で、コンサートであっても、オペラであっても、このオーケストラを形容する言葉には未だに出会ったことがありません。
今回、僕は久し振りに舞台上でその音を体感して、特にダフニスとクロエでは、フルートはフルートでなく、ヴァイオリンはヴァイオリンでなく、流れる水の音、木々を抜ける風、鳥たちの囀り、ダフニスとクロエの肌を照らす光、若者たちの熱狂の足音。情景の、沸き立つ感情の、鼓動の波打つひとつに感じて、自分がどこにいるのか、目の前のきらめきく音に浮遊して溶けてしまうのではないか。

もうひとつ不思議なものが心に残った。それは特に二日目で、この素晴らしいオーケストラが見ているものが何なのか。もちろん指揮台に立つのはマエストロ・ドゥネーヴなのですが、音のうねりや拍を感じる呼吸、巻き上げる音のしぶきの中に僕には小澤さんが指揮をしている姿が見えてきて仕方なかった。それは僕の勝手な願望なのでした。

https://x.com/ozawa_festival/status/1695749190276755872?s=61&t=dGtcdLz0kcbUv6V84W8y-Q

*カーテンコールの様子です。クリックして外部サイトへ。

eiichiro
テノール歌手の宮本英一郎です。 演奏活動を通して、たくさんのことを皆様と共感出来たらと思っております。 演奏会のご依頼等ありましたらコメントからご連絡くださいませ。メール環境が整いましたら移行いたします。

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