演奏会のお知らせ

ホームページの中の演奏会情報を更新いたしました。
http://miyamotoeiichiro.com/%e6%bc%94%e5%a5%8f%e4%bc%9a%e6%83%85%e5%a0%b1/

今年で46回(46年目!)を迎えるイタリア声楽曲を歌う演奏会に出演いたします。
今までに1500年代から20世紀ばでの、マドリガーレ、オラトリオ、オペラ、歌曲などをプログラムしています。

今年は19世紀後半から20世紀の作品群で、イタリア音楽史(=西洋音楽史)において重要な作曲家の素晴らしい作品が選ばれています。

僕はWolf-Ferrari ヴォルフ・フェッラーリの作品の中から4曲を歌います。
1つ1つは短い作品ですが、ユーモアたっぷりの、イタリアらしい曲です。

これら近代歌曲と呼ばれている作品群は、”華麗なるイタリアオペラ”とはまた違った輝きを持つものばかりです。
たくさんの人に聴いていただきたいです。
(下記フォームからお申込みいただけます。)

第46回 ムジカ・ノヴァンタ・ノーヴェ演奏会~芸術の薫り高いイタリアの名歌曲
出演 下村裕子 星川美保子 藤井美知子 中島郁子
相山潤平 佐野正一 森田学 宮本
ピアノ 髙木由雅

2018年7月19日(木) 18時開演 18:30開演 全席自由4,000円 学生券2,000円
ハクジュホール
千代田線 代々木公園駅 出口1
小田急線 代々木八幡駅 南口 より徒歩5分
渋谷駅西口ターミナルより10分 渋61,63,64,66,69

五月の陽の中で

この上なく美しい五月に、全てのつぼみが開く時、、、と始まるシューマンが作曲した歌があって、いつか歌ってみたい憧れをもつ。

僕はヨーロッパで五月を迎えたことがないけれど、幸いにもその季節の中にいた友人から聞くに、それはもう本当に詩にあるような美しい光景なのだという。シューマンの歌曲に憧れを持つのと同じ様に、花々の姿を目の当たりにしてみたい。

五月の初めに”テノール宮本英一郎のホームページ”は一周年を迎えた。続きを読む →

東フィル、フィデリオ終演

数日前に幕を閉じた《フィデリオ》演奏会形式に合唱の一人のとして参加した。

チョン・ミュンフン氏と東京フィルハーモニー交響楽団、東京オペラシンガーズとの組み合わせは結構久しぶりではないかと思うが、僕としては2007年のモーツァルト《イドメネオIdomeneo》、2009年のヴェルディ《レクイエム Requiem》以来である(と思う)。
その間に新国立劇場合唱団としても共演したけれど、やはりその音楽作りにいつも圧倒される。
三日間それぞれ違うホールでのコンサートは、国内外の一流ソリストによって素晴らしい演奏だった。合唱も併せて同じ感想を持っていただけたら嬉しい限りだけれども。最後の公演、東京オペラシティー、タケミツメモリアルホールの演奏後は、熱烈な拍手を受けた。
コンサートが終わりありがたいことに拍手を受けて、続きを読む →

須賀敦子と僕

たとえば、早春、イタリアの野に咲く薄黄色の花、primulaプリムラは、語源がラテン語であるというような面倒なことは、誰も覚えていないくらい日常的な名刺だけれど、たぶん、もとはprima(初めの)の縮小形だったのではないか、ちいさな、いとしい、春のはじまり。この花をなだらかな三月の丘の、陽あたりのいい斜面にみつけて、最初にこう呼んだ人の驚きや感動が、言葉の構造そのものに組み込まれているのがなにかうれしい。(須田敦子:時のかけらたち、より)

もちろんプリムラの季節はとっくに過ぎていて、すっかり緑で溢れかえった中を駆け抜ける風と、まぶし過ぎる陽に、これから訪れる初夏の匂いを感じる。

須田敦子との出会いは、僕がたまに寄る本屋の、写真関係の洋書の棚からレジへ進む最初の角に作られた、これまでの翻訳本、著作が平積みになっている所だった。実際はその本の角を避けようとして足が止まったからだ。続きを読む →

もう一度、心新たに

noch einmal…ja,sehr schön.

ja!noch mal!

「もう一回、、、。そう、とっても良いですね。じゃ、もう一回やろう。」

3月冒頭から始まった東京・春・音楽祭『ローエングリン』の合唱音楽稽古は、宮松重紀氏からウィーン国立歌劇場合唱指揮者のトーマス・ラング氏に引き継がれ、今日は最後の仕上げ(?)。

ラング氏の稽古はドイツ語で進められ、通訳は付くもののnoch einmalとweiter〜「次は〜」というのは僕にも確かに分かるので、辛抱強く、これは確実にラング氏がそうなのだが、稽古が進められている。

今、手にある『ローエングリン』の楽譜は7年前、東日本大震災の影響で延期になった時に返却していた自分の楽譜だ。

あの時は何回か稽古が進んでいたけれど、外国から来日予定だったソリストが軒並みキャンセルとなり、中止ではなく延期、ということになった。演奏はイタリアの歌劇場の来日公演中に震災にあったズービン・メータが指揮台に立ち急遽ベートーヴェンの第九に変更になった。

7年前のやりかけの演奏というか練習の記憶は全然残っていなくて、楽譜だけがその時の記憶を留めている。紙の上にチェックをまた新たに重ねると、あぁ止まっていた時間が動いたんだと実感する。

明日からマエストロ、シルマー氏との稽古、オケ合わせと休みなく続く。

ソリストはバイロイト祝祭音楽祭などの世界の檜舞台で活躍する歌手たち。先月、東京二期会でやったばかりの演目とはいえ、メンバーもパートも違うし、もう一度心を新たにして取り組んでいる。

これから刺激的な毎日が続きます。