書きたい事を見つけポケットから手を出すと、そこから言葉がパラパラと散らばって、慌ててかき集める内に、1月と2月の間をまたいで書き損じてしまった。
僕がやっている仕事は月極めではないから、それが何か特別なわけではないけれど、楽譜で小節間をまたいだりする時に書く弓型の記号を、そのまま時間にまたがる様に書き加えたい気持ちだった。
1月31日と2月2日はリッカルド・ムーティRiccardo Muti 指揮、シカゴ交響楽団The Chicago Symphony Orchestra によるヴェルディ作曲 レクイエム Messa da Requiem の公演に参加した。この公演についてはゆっくり振り返りたい気持ちだ。心の深いところに流れる、まるで地下深くにある大河を感じる様だった。
そして、今は2月22日、23日、24日公演の黛敏郎作曲、歌劇《金閣寺》のリハーサル真っ最中だ。僕は二期会合唱団の一員としてローエングリン以来1年ぶりに皆と舞台に立つ。既に通し稽古を経て、来週頭には劇場に入り、あっという間に公演になってしまう。公演が3日しかないなんて、オペラ公演はなんと儚い。。。
2月の呼び名として「如月」と言ったりもするが、寒さが厳しくなり衣服を重ねる「衣更着」とか春を待ちわびるかの様に「気更来」「生更木」などから来ているのだそうだ。今年の「きさらぎ」は生暖かい日もあれば、雲が低く、雪が舞う日もあり、空模様もまた慌ただしいではないか。やはりそんな季節なのだろうか。
日々にただ追われず、一歩先を見て、というのは自分の場所を知っているから出来るのだろうか。