夏至

今日の空は僕が住むところでは曇りであったので、赤い日没を眺めるというのはかなわなかったけれど、時間を錯覚するほど何だかいつまででも明るい気がして街を歩いていた。 夕方の空は、淡い水彩画を描いた後の筆洗いの水の様に思えた。...

雨の日

雨の日は好きだ。 傘に打つ雨の音が、隣りを歩く人のそれと重なって分からないくらいの強さが丁度良い。 雨が降る前に立ち込めた湿度が洗い流されて、少し汗ばんだ肌に雨粒が溶け合うくらいが良い。 雨の日は、気づかずに通り過ぎたく...